シン・クエストカフェ Vol.03

KEIKO SUGIMOTO

人の呼吸は大地の呼吸
大地と人の暮らしの再生

  • もりとくらしOKAYAMA代表
  • 大地の再生講師

杉本 圭子さん

インタビュー/和田達哉(クエストカフェ)

杉本圭子さん大地の再生〜
山の気とエネルギーの話
《シン・クエストカフェ・インタビューVol.03-1》

杉本さんが、仲間たちと再生している古民家の裏山。
道を作り、山の気やエネルギーの流れを考えて、木を切り出して山を整備し、うっそうとした山が、とても気持ちのいい森になっています。
どのように再生していったのか、人ともりの関わり方、暮らし方、そして、森と共に生きる生き方のヒントがたくさん語られます。
 
 
 

杉本圭子さん大地の再生〜
古民家再生と地域コミュニティ
《シン・クエストカフェ・インタビューVol.03-2》

杉本圭子さんが、廃屋のように老朽化した160年前の古民家を仲間たちと再生。
とても気持ちのいい場所に大変貌しています。小さな納屋はハイジの小屋のように寝泊まりができるカワイイ小部屋に再生されています。
杉本さんのもりとのくらしは、まだまだ始まったばかり、生涯をかけてゆっくりやっていく・・・杉本さんらしい自然を身近に感じるくらしの実験をしています。
 
 
 

杉本圭子さん大地の再生〜
もりとくらす生き方
《シン・クエストカフェ・インタビューVol.03-3》

杉本圭子さんと再生中の山を歩いて、帰ってきた後に、杉本さんが入れてくれた珈琲を飲みながら、杉本さん流の生き方や人生観について、和田達哉との対談で語られます。
 
 
 

どこにでも見られた
普通の日本の風景

シン・クエストカフェ・インタビュー Vol.3は、大地を再生する活動をしている杉本圭子さんです。
実は、杉本さんは、岡山の古い友人でもあり、いつもはフルフルちゃんと呼んでます。
杉本さんは、現在、岡山市北区の粟井という集落の里山にある古民家を拠点に、自給採集生活のための大地の再生を、実際に里山に入り、また、その周辺地域に関わりながら実験、実践して活動しています。
今年から(2023年)、古民家の近くの棚田で自然栽培によるお米作りもスタートしました。
インタビュー動画を見てもらうと分かりますが、杉本さんが中心となって、仲間たちと再生した里山に入って、お話を聞いています。
もともと長年ほったらかしで、うっそうとしていた山が、とても気持ちのいい、爽やかな場所に生まれ変わっています。
 
山というとダイナミックな大自然の山をイメージする人も多いかと思いますが、杉本さんが活動している山は里山で、ある意味でどこにでもある人が暮らす地域と密接している小高い山です。
田舎に行くと里山があって、麓や谷間に集落がポツポツとあるイメージです。
こうした里山は、人々の暮らしと共にあって、昔は人が山に入って整備し、果樹を植えたり、山菜や木の実を採ったり、椎茸を育てたり、どこにでも見られた普通の日本の風景、暮らしでした。
しかし、今では多くの里山がほったらかしになって、うっそうとしたジャングルのようになっているところが数多くあります。
人々の暮らしが変わり、スーパーやコンビニ、そして通販で何でも簡単に手に入り、仕事も集落の外で働き、また、集落からから出ていく人も多かったりして、その上、そんな地域では高齢化も進み、里山だけでなく、地域を整備するのが精一杯というところも多いのが現状です。
 
 
 

大地が呼吸し、生命力を回復させる

山は、自然なので、放ってけば自然に戻ると考えそうですが、一度人が手を入れた里山は、そのままにしておくと自然に戻る前に、人が暮らしにくく危険が伴う場所になってしまいます。
またそれだけでなく、積極的に山に手を入れて、整備することで山が生き返り、木々や草花たちが活き活きと生命力を回復していくこともサポートすることができるのです。
そのように、人が里山にしっかりと関わって行くことは、里山にとっても、そこに暮らす人々にとっても、互いに活性し、快適で、元気になっていくそんな場所、地域になっていきます。
 
山を整備することで、大地のエネルギーが復活し、風の通り、気の通りがよくなって、とても心地よくなります。夕方から気温が下がり山から降りてくる心地よい風や気、日が昇り気温が上がって麓から山に登っていく風や気のエネルギー。これはまさに山、そして大地の呼吸です。

山を整備することで、水はけや流れが良くなって、土壌の微生物も活性化してきます。微生物が元気になると山も元気になっていきます。
先人たちは里山と関わって生きて、里山からの恵みを得て、共に生きてきました。そこには、先人たちの山とか川って生きる深い知恵があったのです。
 
 
 

里山と地域社会との交流

杉本さんは、そんな里山に興味を持って、奈良は吉野で、女性も参加できる林業の研修を見つけ、参加したことがきっかけで、チェーンソーを片手に山に分け入り、ユンボの免許を取って、木を運び出すための道の作り方など、本格的に山林の管理を身体を使って実践的に学んできました。その中で、単なる山林の管理ではなく、山や大地が生きていて、呼吸していることに改めて気づき、大地のエネルギーが活性化する山の手入れのやり方を、その道の専門家である師匠から学んで、現在は、里山や大地の再生に興味のある人や志ある仲間たちと一緒に活動しています。
 
現在、杉本さんが活動している岡山市の粟井という集落は、足守という武家屋敷が残る地域の北側の落ち着いた谷間にあり、杉本さんの古民家は、その最も奥の小高い場所にあって、とても気持ちがいい場所です。
里山と関わる活動をしたいと思っていた杉本さんが、そうした場所を探していたとき、たまたま見つけたボロボロの古民家を、直感的にここだと感じて購入。最初は、驚くような草だらけの荒れた状態になっていましたが、仲間たちと少しずつ手をかけて再生し、いまでは、そんな場所だったことが想像も付かない、ずっといたくなるような心地よい場所になっています。
 
そして、最初は、地域の方々から、誰かがそのボロボロの古民家を買ったらしいぞという噂になり、変わった人が来たんじゃないかと怪しまれたりしたそうですが、杉本さんたちの地域としっかり関わって交流して行くうちに、地域の人々からも協力を得られるようになりました。
そんなある時、御世話になっていた長老の一人が亡くなって、古民家のすぐそばにあったその方の棚田をやる人がいなくなったことから、その棚田での田んぼを借り受けることになって、今年からその棚田で、自然栽培米をづくりも始まりました。
 
 
 

風のように生きる

自然と共に、自然と対話しながら、自然のペースで生きる杉本さんは、クエストカフェ主宰和田達哉の拠点であり、地元岡山出身で、元々はセンス溢れる美容師さん。以前は、大阪で美容室経営をしていたのですが、親の介護のためにUターン。岡山駅の近くでお洒落な美容室を営んでいました。僕が杉本さんと知り合ったのは2011年の東日本大震災の支援活動でした。
東日本大震災での様々な出来事は、杉本さんの人生観に大きな影響を与え、そこから彼女はもっと本質的な生き方へとシフトしていったようです。
 
今では、作業着に長靴、作業道具というカッコイイ出で立ちで、風の向くまま気の向くままと言うような、自然時間で暮らし、生きる杉本さん。すべては自然が教えてくれる。そんな杉本さんは、現代を生きる老子のような生き方を実践する人物であり、いつもあっけらかんとキャハハと黄色い笑顔で笑う素敵な人です。
 
ぜひ、動画インタビューをご覧ください。杉本さんの空気感の中から学び、感じることも多いかと思います。

 
 
 

杉本圭子さん プロフィール
Keiko Sugimoto
人の呼吸は大地の呼吸、大地の呼吸はエネルギー!をモットーに、2016年岡山で大地の再生活動をはじめる。
 
岡山市北区粟井の里山古民家を拠点に、安全で心地よい自給採集生活のための大地の再生を研究中。
岡山の環境に取り組むコミュニティをサポート。
  
1963年生まれ岡山県在住
もりとくらしOKAYAMA代表
大地の再生講師
moritokurashi.net

 
 

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