シン・クエストカフェ Vol.02
MASATSUGU MOMOTAKE
インタビュー/和田達哉(クエストカフェ)
日本のゲシュタルト療法の第一人者でレジェンドの百武さんによるゲシュタルト療法とは何か?
ゲシュタルト療法によって得られること、効果、ゲシュタルト療法の歴史やゲシュタルト療法が目指していることなど、また、私たちの精神や生き方、あり方など、百武さんの人生体験からの深いお話が語られています。ぜひ、お聞きください。
ゲシュタルト療法ファシリテーター/百武正嗣さんのクエストカフェ・インタビュー
インタビューが終わって、百武さんとご自宅の目の前の三浦海岸へ散歩に出かけました。
百武さんの大学からアメリカ留学、そして、ゲシュタルトとの出会いのお話です。
百武さんが渡米してカリフォルニアでの体験からゲシュタルトへの出会い。百武さんにとってのゲシュタルトについて語ります。
日本のゲシュタルトのレジェンドももちゃんを知るための興味深いお話です。
百武さんの幼少期から高校生、大学生、そしてカリフォルニアへ渡米したお話です。
百武さんという人物の成り立ちに影響があったかもしれないユニークな体験など
日本のゲシュタルトのレジェンドももちゃんを知るための興味深いお話です。
日本を代表するゲシュタルト療法ファシリテーター/百武正嗣さんによるゲシュタルト療法のワークのデモです。
実際のワークは、エンカウンターグループによるグループワーク形式で行われます。
また、ワークの時間は、ゲシュタルト療法を受けるクライアントによって様々です。
長い場合は、1時間以上になることもよくあります。
クライアント役/真理子さん
百武正嗣さん プロフィール
Masatsugu Momotake
ゲシュタルト療法ファシリテーター
1945年、新潟生まれ。中央大学理工学部卒。1979年、カリフォルニア州立大学大学院心理学部卒。帰国後、(財)神奈川県予防医学協会で健康教育にヨーガ、心理学を取り入れる。日本ゲシュタルト療法学会の創設に尽力。設立より2期6年にわたり理事長を務め、現在は同学会ファシリテーター審査委員長。
NPO法人ゲシュタルトネットワークジャパン(GNJ)理事長。日本フェルデンクライス協会理事。ゲシュタルト、フェルデンクライス・メソッド、ヨーガ、心理学を取り入れた「気づきのセミナー」を全国各地で開催。またリラクゼーションの指導にもあたっている。
フェルデンクライス国際ライセンス取得。日本で指導を続けて20年以上、全国各地で通算9,000人以上にワークを提供。ギリシャ、サンフランシスコ、シドニーからも招待を受け、ワークショップを実施している。
百武さんは、日本におけるゲシュタルト療法(セラピー)の第一人者であり、レジェンドと言える存在です。そもそも、この「ゲシュタルト療法」と言う言葉を初めて聞かれた方も多いかもしれません。
ゲシュタルト療法とは、心理療法のひとつで、療法と言うだけに、心に問題を抱えた人や生き辛さを抱えた人などに対して、心理的なアプローチで、その人が人生を生きやすいように、自らの力で改善したり、よりよく生きられるようにサポートするための心理療法です。
百武さんは、40代の頃にこのゲシュタルト療法と出会い、これまで約30年近く、通算9,000人以上もの人々にワークを提供し、それらの体験から百武さん自身も深い気づきを得てきました。
百武さんの風貌やそのオーラからも感じられるかと思いますが、どこか仙人のような(笑)、シャーマンのような、そして「風」のような・・・プライベートでは、とってもお茶目で、チャーミングなところもありながら、いざワークに入るとクライアントとの関係性の中で、時にダンスを踊るようにも見え、時に、縦糸と横糸で織りなすタペストリーが仕上がっていくようにも見え、グループワークに参加しているときは、1時間以上ものワークもあっという間に感じます。それくらい、参加者に共鳴が起こり、参加者の内側でも様々な変容が起こります。
ワークショップでは、あまり多くを語らない百武さんですが、今回のインタビューでは、かなり具体的にお話しいただきました。
ワークショップでは「あまり多くを語らない。説明しない」というのには理由があって、ゲシュタルトでは体験を重視すると言うこと。また、体験はその人の中で起こることなので、人それぞれに、体験することは異なるため、その体験は、その人にとっての真実であり、その体験の中から何に気づくかも、その人次第であることから、そんな個人の体験を大切にするところからゲシュタルトは始まるというスタンスがあります。
ゲシュタルトは、受けとる人の解像度によって、どこまでも深い体験をするので、一言で説明することはできませんが、何よりも、ゲシュタルト療法のグループワークに参加して、体験してみることをおすすめします。
人生の変化の時や幼少期からずっと生き辛さを抱えていたり、自分に自信が無かったり、認められなかったり、もっと自己成長したいとか、自分を変えたいと思っている人に、ゲシュタルト療法は、あなたの変容を促します。すべての人に必ず、ゲシュタルト療法が合うとは限りません。グループワークに参加して、何をやってるんだかよく分からず、退屈だと感じられる方もいます。
感じ方、受け取り方は人それぞれですが、人生を深いところで扱い、より深い価値観、この世に生きる意味、生を受けた意味を深く感じながら、その生きる意味や目的を見出したい人には、より深く人生を生きる意味に気づかせてくれるでしょう。
ゲシュタルト療法を学び、ファシリテーションの技術を身につけたファシリテーターと呼ばれる導き役(専門家)が、主にグループワークの形式で、クライアントの解決したい問題や改善したいことを、ゲシュタルトワークによって、クライアントに起こる内的な気づきを促進していきます。ファシリテーターは、あくまでも、クライアントの「気づき」を促進する役割であり、クライアント自身が自分を体験することをサポートします。
ファシリテータがアドバイスしたり、問題を解決するのではありません。
あくまでも主体は、クライアント自身であり、クライアント自身が自ら「気づく」ことによって、自らの問題に対処していきます。
クライアントが抱えていることや本人の中で未解決の問題は、それが自らの思い込みや勘違いであったり、一方的な見方であることに気づいたり、その問題が、自分の問題では無く、相手や事象の問題であって、自らはどうにもできない問題であることに気づいたとき、自分は責任を置く必要が無いことに気づくことで、心身共に楽になったりします。こうした気づきが、クライアントの深い内側から起こるとき、もう、それまでの自分、人生を生きる必要がなくなるのです。
ゲシュタルト療法は、「いまーここ」に気づくことを大切にしています。
未解決な問題は「いまーここ」にあなたに影響を与えています。
もし、あなたがのどの渇きに気づけば、コンビニに行って水やお茶を買うでしょう。生物は自らの欲求に気づき、それを満たすための行動をとります。その欲求が満たされると、次の欲求に移行するのです。
ところが、その欲求が満たされないとどうなるでしょうか。この欲求が満たされないレベルを「未解決(未完了)」と言いますが、その満たされない状態が続くと、未解決な状態を完結させるために、欲求はさらに強くなります。
(気づきのセラピー/はじめてのゲシュタルト療法 百武正嗣著/春秋社 P36-P37)
本質は見えないところにあるのではなく「いまーここ」に現れている。
もし、クライアントが心の中で不安を感じとったとしたら、それは目の動きや姿勢に表れます。同時に身体のどこかを緊張させたとしたら、心の中にも緊張が伝わります。
(気づきのセラピー/はじめてのゲシュタルト療法 百武正嗣著/春秋社 P70-P71)
百武さんの著書「気づきのセラピー/はじめてのゲシュタルト療法」の一説にこんな言葉もあります。
あなたが海を見るときに、からだは一緒です。
海の潮風を感じるときに、からだがあります。
あなたが海の広さに感動したとき、からだも感動します。
(P11)
あなたの身体とあなた自身である「私」は、ひとつです。
あなたの意識がどこかにあって、身体とは別のものではなく、本質は、あなたが身体であり、身体があなたなのです。
なので、身体の状態に気づくことは、あなた自身に気づくことでもあります。
このあたりは「禅」にも通じる所でもあります。
ぜひ、ご興味のある方は、ゲシュタルト療法のワークショップに参加してみてください。
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