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インタビュー

シン・クエストカフェ Vol.06

KYOKO KIBAYASHI

健やかに生きるための
生き方・暮らし方

  • 医学博士・小児科専門医・統合医療研究者

木林 京子さん

インタビュー/和田達哉(クエストカフェ)

木林京子さん/小児科医
健やかに生きるための生き方・暮らし方
《シン・クエストカフェ・インタビューVol.05-1》

小児科医の木林さんは、岡山市内での診療活動と「すこやか未来」の活動についてお話しされています。
「すこやか未来」は週に一回、親子や大人の健康相談を自然豊かな環境で丁寧に行う取り組みで、その中での具体的な活動内容が語られています。また、日本の医療制度の利点と課題についても触れられており、現代医療が短時間診療に偏る傾向の中で、体の自然治癒力や健康に関する深い話をする機会が減少しているという現状が指摘されています。
さらに、木林さんは400人以上の医療従事者を巻き込んで統合医療のオンライン活動にも取り組んでおり、多様な分野の専門家による質の高いセミナーが無料で提供されている点についても語られています。このような統合医療への関心が高まる一方で、現場ではまだ十分に浸透していない現実についても触れられています。

 

 

木林京子さん/小児科医
健やかに生きるための
生き方・暮らし方
《シン・クエストカフェ・インタビューVol.05-2》

木林さんは、統合医療に関心を持つようになり、大学病院や九州のクリニックでの経験を通じて、心と体の両面から健康を支えることの重要性について語られています。
松山日赤の成育医療センターでの活動では、妊婦や親子を長期的に支える医療の形について実体験を交えた話が展開されています。また、統合医療クリニックでの食事療法や住環境を含めた全人的な医療が、健康にどのように影響を与えるかについても説明されています。
さらに、現代の子どもたちが情報過多や環境の変化に直面している現状が指摘され、体験を通じた記憶や学びを増やすことが、本来の成長力を引き出すために必要だと語られています。加えて、大人の健康を維持するためには、意識的な取り組みや体験が欠かせないという点も強調されており、心身の調和を目指す医療の重要性が述べられています。

 

 

木林京子さん/小児科医
健やかに生きるための
生き方・暮らし方
《シン・クエストカフェ・インタビューVol.05-3》

木林さんの幼少期から現在に至るまでの経験が語られています。幼少期に母親が仕事で忙しかったため、近所のおばちゃんの家で育てられたという特別な環境が、木林さんの価値観やキャリア選択に大きな影響を与えました。
おばちゃんの自由でおおらかな子育て方針が木林さんの成長を支え、母親との家でのギャップもまた成長の一部となりました。大人になってから、おばちゃんの存在に感謝するとともに、地域の助け合いの大切さを改めて実感するようになったそうです。
木林さんは現在、子供や家族の健康を支援する活動を展開し、あらゆる世代の人々が健康的な生活を送れる社会を目指しています。このインタビューを通じて、木林さんの人生観、価値観、そして今後のビジョンが明確に伝えられています。

 

 

自然と医療を結びつける木林さんのアプローチ

木林さんが展開する「すこやか未来」の活動には、健康と暮らしを見つめ直すための新しい視点が数多く詰まっていると感じました。
自然豊かな玉島の里山に設けられた健康相談の場では、訪れる人々が「心地よさ」と「深い対話の時間」を体験できるよう配慮されています。自然環境に身を置きながら、自分や家族、そして大切な人々の健康についてじっくり考える、そんな貴重な機会を提供しています。
木林さんのアプローチには、自然の力を活かして人間が本来備えている治癒力を引き出すという、独自の思いが息づいています。この姿勢は、現代医療が抱える課題に対する彼女の一つの答えとも言えるでしょう。
忙しい医療現場で働きながら、このような活動を着実に進めている木林さんの柔軟な発想と行動力に、深く共感します。「自然と医療が調和する場を作る」という取り組みは、現代の暮らしに失われがちな「癒し」や「ゆとり」を再発見する手立てを示しているように感じました。

 

 

統合医療が切り拓く新たな可能性

木林さんの統合医療への取り組みは、医療の枠を超えた包括的な健康支援の可能性を示唆しています。
オンラインセミナーという形で、医師や看護師、整体師、さらには建築専門家など、多様な分野の専門家が集い、知識を共有する場を作り上げている点は特に印象的でした。このような取り組みを通じて、異なる専門性を持つ人々が互いに学び合い、患者一人ひとりに最適化された医療を提供する道が広がりつつあることが感じられました。
また、彼女が「治療」という行為にとどまらず、「予防」や「生活全般の質の向上」に焦点を当てている点には、新しい医療のあり方の一端を垣間見る思いがしました。
食事や住環境といった日常生活の要素が健康に与える影響を重視する視点は、医療そのものを「生き方のサポート」として再定義する試みとも言えるでしょう。このような統合医療の取り組みがさらに広がれば、患者のみならず医療従事者自身にとっても学びと成長の場となり得ると確信しました。

 

 

幼少期の体験が形作った価値観

木林さんが幼少期に近所のおばちゃんと過ごした日々のエピソードには、地域の助け合いと自由な遊びが子どもの成長に与える深い影響が端的に表れているように思いました。
おばちゃんの家でのびのびと過ごした経験が、彼女の価値観やキャリア形成にどのように影響を与えたのか、その背景が興味深く感じられます。
一方で、現代の子どもたちは情報過多や環境変化によって、本来の成長力を十分に発揮できない状況に直面していることも、彼女の言葉から浮き彫りになりました。
木林さんが強調していた「体験を通じて心とからだが記憶する大切さ」は、未来を担う子どもたちにとって欠かせない成長の鍵であると感じました。
自然の中での自由な体験が、子どもたちにとってどれほど重要な意味を持つかについて、改めて考えさせられる機会となりました。
 

 

 

インタビューを終えて

医療は単に病気を治す場ではなく、医療は生活全般を支える重要な基盤なんだなとあらためて思いました。
自然との調和を重視した木林さんのアプローチには、私たちが本来持っている「人間らしさ」や「自然とのつながり」を再発見させてくれる力があります。
その柔軟で創造的な視点、そして優しさが伝わってくる話は、とても興味深かったです。
現代社会では、効率や便利さが追求される一方で、私たちは「自分を振り返る時間」や「自然と向き合う機会」を失いつつあります。木林さんの取り組みは、そうした時代において大切な生き方のバランス、あり方を示してくれているのだと思います。
多くの人々の心とからだがすこやかになって、幸せと豊かさを享受して生きられるように。木林さんの活動を応援していきたいと思います。

 

 

 

【内容の要約】

《シン・クエストカフェ・インタビューVol.05-1》

すこやか未来の活動
木林さんは、岡山市内で小児科医として診療を行う傍ら「すこやか未来」という健康相談を週一回玉島で実施しています。
この活動では、親子や大人を対象に、一人ひとりじっくり時間をかけて話を聞きます。質問票を事前に記入してもらい、心身の状態を多角的に把握する丁寧なアプローチを特徴としています。また、自然豊かな里山に囲まれた活動場所は癒しの場として訪問者から好評を得ており、親子だけでなく、親一人での相談も対応可能です。
木林さん自身も、この活動を通じて自然の中でリフレッシュできると語っています。

 

医療と健康への考え方
木林さんは、日本の国民皆保険制度の利便性を評価する一方、現代医療が短時間診療に偏りがちで、自然治癒力や症状の意味を深く理解する機会が減っていると懸念しています。特に初めて子育てをする親は不安からすぐに病院を受診する傾向があり、体の持つ本来の治癒力を信じて子どもの体調を観察する重要性を強調しています。
また、医療に頼りすぎる文化が自分で体の状態を感じたり学んだりする機会を減らしている点を指摘し、健康への理解を深める活動を通じてより良い環境を提供したいと語っています。

 

統合医療の普及活動
木林さんは、統合医療の普及を目的としたオンラインセミナーを4年以上にわたり実施しています。この活動では、漢方や東洋医学、針治療など多岐にわたる医療分野の知識を医療従事者同士で共有しています。
参加者は医師や看護師だけでなく、整体師や建築専門家など多様で、つながりを深める場としても機能しています。セミナーは週一回、3か月間のプログラムで、濃縮された情報が1時間の講義に詰め込まれています。
この無料の取り組みは、統合医療を広め、患者により多面的な医療選択肢を提供する可能性を探っています。

 

自然と健康の関係
活動拠点の玉島は自然豊かで、訪問者に癒しを提供する環境が特徴です。活動場所ではイトトンボや野うさぎなど、都会では見かけにくい生物が生息し、訪れる人々に新鮮な驚きや懐かしさを与えています。
この自然環境は、親子や相談者が日常から離れて健康に集中できる場を提供しており、健康や幸福感を高める重要な要素となっています。木林さん自身も、この環境で活動することで大きな充実感を得ていると話しています。

 

 

《シン・クエストカフェ・インタビューVol.05-2》

統合医療との出会いと歩み
木林さんは大学病院勤務時代に統合医療に興味を持ち、ホメオパシーや東洋医学の学びを深めてきました。
2014年以降は実践的に統合医療に取り組み、九州のクリニックでの経験を通じて心と体の両面から健康を支える重要性を実感しています。また、ガイアシンフォニーやメルマガを通じて知見を広げ、患者の意識の成長や進化をサポートする新たな医療の可能性に触れる機会を得ました。

 

松山日赤での貴重な経験
松山日赤では、産科と小児科を一体化した「成育医療センター」で活動しました。胎児カルテから新生児カルテへの情報の引き継ぎや、小児科専属のカウンセラーによる支援など、他にはない取り組みが行われていました。
この経験を通じて、妊婦や親子の長期的な健康と成長を見守る重要性を学びました。また、体験を通じた気づきが木林さんの統合医療への興味をさらに深めました。

 

食事・住環境を含めた全人的な医療
九州の統合医療クリニックでは、難病患者の治療において漢方や針、気功、そして自然栽培の食材を用いた食事療法が行われていました。また、衣食住全体が健康に与える影響を重視し、生活環境の改善にも取り組む姿勢が見られました。
木林さんはこれらの取り組みを通じ、健康とは医療だけでなく、生活全般に関わるものであることを再認識しました。

 

子どもの成長と環境の影響
現代の子どもたちは情報過多や環境の変化の影響を強く受けています。木林さんは、子どもの成長を支える本来の力を引き出すためには、環境要因を改善し、体を使う体験を増やす必要があると述べています。
体験から得られる記憶は体に刻まれ、成長を助ける一方で、現在のような情報だけの刺激は記憶として残りにくい点を懸念しています。

 

大人の健康と意識の変革
木林さんは、健康の維持には体験を伴った意識的な取り組みが必要だと考えています。
聞き手の和田がTony Robbinsのインカンテーションを例に挙げ、身体と心を連動させた実践が、より深い変化を生むと説明します。
現代社会では忙しさの中で自分を振り返る時間が少なくなり、健康を損なうケースが増えていますが、立ち止まって自分の体と心に向き合うことの重要性を強調しています。

 

 

《シン・クエストカフェ・インタビューVol.05-3》

幼少期の環境と近所のおばちゃんとの特別な関係
木林さんは、母親が小学校の先生として復職したため、1歳から小学校入学までの平日を近所のおばちゃんの家で過ごしました。このおばちゃんとの関係は、母親が公園で偶然出会った際に「見てあげましょう」と申し出たことがきっかけだったそうです。
親族ではない普通の近所の人ながら、幼稚園の送り迎えや生活の大部分を支えてくれる存在で、木林さんにとって非常に特別なものでした。幼少期はそれが普通だと感じていましたが、大人になり振り返ると、非常に貴重な経験だったと語っています。

 

おばちゃんの自由でおおらかな子育て方針
おばちゃんの家では、木登りや泥遊びといった自然の中での遊びが自由に楽しめる環境が整っていました。「危ないからやめなさい」という制限がほとんどなく、好奇心を存分に発揮しながら育つことができたそうです。
汚れた服で帰っても叱られることはなく、のびのびとした成長が促されました。一方で、母親の家では仕事の忙しさから厳しさもあったため、木林さんは小学校入学後、母親に反抗的な態度を取ることもあったそうです。この両環境のギャップも成長に大きな影響を与えたと述べています。

 

地域の助け合いによる子育て
木林さんの兄弟も、それぞれ地域の近所のおばちゃんたちに助けられながら育ちました。兄たちは複数のおばちゃんの手を借りており、母親の多忙な仕事を支える地域ぐるみの協力があったといいます。
こうした助け合いによる育児環境は、現代ではあまり見られなくなったものですが、木林さんにとっては非常に恵まれた環境だったと振り返っています。

 

キャリア選択の背景と価値観の形成
木林さんは進学する中でさまざまな職業に興味を持ち、最終的に医学部を選びました。理系科目が好きだったことに加え、人と関わる仕事に就きたいという思いが強かったそうです。
父親が小児科医だった影響もあった一方で、幼少期におばちゃんの家で自由に育った経験が、人との関わりを大切にする価値観の基盤になったと感じています。また、地域の助け合いを経験したことが、将来のキャリア選択にも影響を与えたと語っています。

 

おばちゃんの存在の再認識と感謝
大人になり、木林さんは幼少期のおばちゃんの存在がいかに特別だったかを改めて認識しました。成長を支え、自由な育ちの場を提供してくれたおばちゃんの存在は、木林さんにとって非常に重要なものでした。
現在の仕事で子育てや家族に関する話を聞く機会が増える中で、この経験の価値が一層深く感じられるようになったと語っています。

 

今後のビジョンと目標
木林さんは、子どもの成長を支援する活動を中心に、食事や運動などの健康分野で情報を届ける役割を担いたいと考えています。
時代の変化で便利な技術が増える一方、身体を育む時間が減少している現状に着目し、生活習慣や環境改善を応援する活動を展開したいと話しています。最終的には、全ての世代が健康で自分の役割を果たせる社会の実現を目指しているそうです。

 

 

 

木林 京子さん プロフィール
Kyoko Kibayashi
岡山県出身、岡山市在住。岡山大学医学部を平成13年に卒業後、小児科医としてのキャリアをスタート。岡山大学病院での研修と研究を経て、2005年に松山赤十字病院に赴任。同病院の成育医療センターでの9年間、小児救急や一般診療に携わるとともに、子どもの成長発達支援や家族の子育て支援に尽力。この経験から、心と身体の両面から患者を診ることの重要性を深く学びました。
2014年には、九州のY.H.C.矢山クリニックにて「すこやか小児科」を開設。従来の小児科診療に加え、バイオレゾナンスや腸内環境の改善を取り入れた統合医療を展開。子どもたちが本来持つ力を引き出す治療に取り組み、劇的な成長や変化を目の当たりにしてきました。
現在は、岡山市内の医院で、小児科医として活動する他、「すこやか未来~森の相談所」として、倉敷市玉島の里山にある自然豊かな環境で週1回、健康や子育てに関する相談を行っています。病気や不登校、障害など、子どもたちや家族が抱える課題に寄り添いながら、それらをきっかけに隠れていた力や個性、輝きを見出すお手伝いをしています。
相談所では、ゆったりとお話を伺い、相談後は親子で山の中を散歩したり、美しい景色を眺めながらリフレッシュしていただける時間を提供。自然のもつエネルギーに触れることで、身体の自己治癒力を高め、新しい視点やアイデアを得る場としても好評です。一人ひとりの子どもたちがのびのびと成長し、親も自分らしく子育てを楽しめるよう応援しています。
医学博士、小児科専門医として、次世代の健康と幸せを支える新たな形の活動に取り組み続けています。

 

 

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