今回のクエストカフェインタビューは、奄美大島のステンドグラス・アーティスト、クマさんこと熊崎浩さんに登場いただきました。自然豊かな奄美大島で、自然をリスペクト(尊敬)し、自然との対話を大切に生きるクマさんのライフスタイルや海とサーフィン、クマさんが奄美に暮らすことになったお話など、深く、興味深いインタビュー。奄美大島のクマさんの工房で話を聞きました。ぜひ、お楽しみください。
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▼ 取材後記
久しぶりに影響を受ける男(ひと)に会った。僕はここ数年、波乗りが楽しくてしょうがない。歳も取って、若かりし頃の体力もなくなりつつあり、パドルして、サクッと立てればいいけど、よいしょって感じのなんだかキレの悪いサーフィンになりつつある今日この頃、それでも若いもんには負けちゃおれんとばかりに、元気な若者が乗るような板に乗ってた。でも、クマさんに会って、クマさんの一言で、自分に素直になって、サーフィンのスタイルを180度転換した。そのくらい影響を受けた。(そこだけ〜じゃないよ。。。笑)
クマさんの人としての魅力は、何よりも普通の人が歩まない、自分の道をずっと歩いて来た人だからだろう。普通の社会から見れば、アウトローの道。サーフィンと旅を通して、自然や波と対話しながら生きる人たちと交流し、そこには、波という自然と旅で出会う人たちがいて、それは結果的に、自分との対話をもっとも要求されるものになったのだと思う。
クマさんの人柄、オーラは、いつもマイペースだ。他者を受け入れ、自分や家族、仲間を大切にして、自然をリスペクトし、自然と調和しながら生きる。社会の中で生きるという意味では、不器用なのかもしれないけれど、本質を生きるという意味では、なかなか真似のできない、とても器用な生き方だと思う。
落ち着いてて、ちょっと脱力な、リラックスした話し方は、きっとクマさんが体験してきた人生からもたらされているに違いない。
ちょうどクマさんが、子供たちの部屋をつくるために、柱の木組みを作っていて、そんなクマさんを見ながら、僕は「クマさん、働いてるの?」って冗談言ったら「これが僕の仕事ですよ」って答えた。「普通の人は、働いてお金を稼いで、それで職人さんを雇うでしょ・・・僕は、それを自分でやるから、自分に発注しているようなもの。だから、これが仕事なんです。僕には仕事がいっぱいあるんですよ」
クマさんの言葉はシンプルで、とても心に響く。サーフィンは波に乗れてなんぼ。それだったら、板も乗りやすい方がいい。だから、もっと分厚い板に乗った方がいいよ。。。と。分厚い板が曲がらないなんていうけど、ぜんぜんそんなことない。1本でも数が乗れて、楽しい方がいいでしょ。まったくその通りだ。
庭でもそう、最初からお金かけてビチッとできてなくても、30センチ四方の芝生を一枚買ってきて、ゆっくり育てれば、10年も立てば、全体に拡がる。庭木でも苗木を安く買ってきて、ゆっくり育てれば、自分の思うようなカタチに育てることができる。ゆっくりでいい。作る、育てる楽しみがある。
クマさんは、庭を造成し、石組みをして、家を自分で建てて、畑もやる。パーマカルチャー・・・自給自足的な暮らしの部分も取り入れ、持続可能な生き方を実践している。
お金はあるに越したことはないけど、自分でできることを忘れて、せっかくの面白さを人に与えて、お金を払っている。そう考えたら、働くことって何かもう一度考えたくなる人もたくさんいるんじゃないだろうか。
クマさんは忙しい毎日を送っている。サーフィンもしなくちゃいけない、家も建てなきゃいけない。アーティストとしてステンドグラスも作るし、畑仕事も釣りもしなきゃいけない。子供と遊ばなきゃ行けない。自分がやりたいことをやるっていうのは、本当に忙しいもの。のんびりなんてしてられない。でも、ワクワクするから元気だし、毎日が充実している。
自分らしく生きる。クマさんも現実的な生活はみんなと同じ、いろいろと大変なこともあるだろうけど、自分流を貫くことは素晴らしいこと。僕もあらためて、自分流で行こう。自分を信じていこうって、クマさんと会って思えた。そして、今年から、僕のサーフィンのスタイルは異次元へとシフト。いろんな意味で面白くなってきそう。また、クマさんに、そして、奄美の海に会いたくなったら飛んでいこう。クマさん、いい刺激をありがとう!