今回のクエストカフェ・インタビューは、いま、クエストカフェで配給しているドキュメンタリー映画、ファインディング・ジョー「英雄の法則」のパット・ソロモン監督の登場です。打ち合わせを兼ねて、ロサンゼルスのベニスにある監督の自宅に訪問し、映画のことやこの映画のテーマである神話学者ジョーゼフ・キャンベルの英雄の旅、監督自身のことについて、いろいろとお話しを聞きしました。
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ファインディング・ジョー「英雄の法則」。この映画の事を知ったのは、この映画に出演している世界的なベストセラー作家で、セミナーリーダーのアラン・コーエンが発行しているメルマガを読んでだった。
アランとは、今から10年ほど前に、マウイ島での彼の1週間のリトリートセミナーに参加して以来、本やセミナーを通じて、人生においていろんなヒントを受け取っている。興味深い比喩やウィットに富んだ話題はとても魅力的で、よりよい人生を生きるためのたくさんのヒントをアランから受け取った。僕はそんなアランが大好きだ。
昨年9月に、ダイナビジョンさんと共催で、岡山でアランのワークショップを開催することができ、全国からたくさんの人に参加してもらい、素晴らしい時間を皆さんと共有できた。その後、アランのメルマガ(英語版)で、この映画に出演して、いま、アメリカで公開中だという話だったので、どんな映画だろうと予告編を見てみた。始まるやいなや、僕はバチバチと音がしたのではないかと思うほど電流が流れた気がした。
1分程度のわずかな予告編だったけれど、終わる前に、これはもう何としても自分が日本に伝えたい!そのことを確信していたのだ。予告編を何度も見て、本編も見ていないのに、1時間後には、つたない英語でプロダクションに、ぜひ配給させて欲しいとメールを出していた。同時に、アランにもメールを出して、ぜひ、一言力添えをして欲しいとお願いしたら、アランも快く答えてくれて、サポートしてもらうことができた。そんなこともあって、2週間後に、監督であるパット・ソロモンからメールをもらってから、話はとんとん拍子に進んでいったのだ。それにしても、本編も見ていないし、映画の配給の経験もない、そんな人間によく日本での配給を任せたものだと、いま思えば不思議なのだけど、パットも何かシンクロを感じたようだった。
その時はまだ、シカゴの上映会が終わって、最後のニューヨークの公開を控えている頃だったけど、それから歳を越して、ようやくネット上で本編を見ることができた。内容、完成度共に、期待以上だった!この映画を日本に紹介することは、これもまた、僕自身の英雄の旅になるのだろう。。。と、心弾ませていたのだ。その後、いろいろなやり取りや日本語版製作チームと苦労を重ねながら、この映画の配給が始まった。
パットと直接会ったのは、実は、このインタビューの時が初めてで、それまで、スカイプ数回とメールのみ。それでも、コミュニケーションは十分取れていたので、実際にパットと会った起きの違和感は全くなかった。それどころか、旧知の友人のような感覚だった。パットは、ある部分、僕にとても似ているような気がした。彼の持っている空気というか、生き方やライフスタイル。自然さ、自由さ、奔放さ、開放感。。。笑 家を訪ねると彼は裸足で、僕もすかさず、裸足になった。奥さんとも挨拶して、映画にも出演していた息子のデクランくんも出てきて、とてもリラックスしたムードで迎えてくれた。
パットはとても才能のあるフィルムディレクターだと思う。映像のセンスは抜群だ。さすがに無数のコマーシャルフィルムを製作してきた実績が、ディテールに表れている。彼はこの映画を通して、彼自身の新たな魂の旅、冒険の旅をしてきた。まさしく、英雄の旅だ。そして、帰還したいま、また、新たな旅の準備をしている。
インタビュー意外で話したことだけれど、僕も世界中、いろんなところを旅してみた。まだまだ、旅したいところがたくさんある。旅とは、日常と切り離される体験だ。日頃、僕たちは住み慣れた環境で、ほとんど目をつぶっていてもいろんなことをやってのけることができそうなくらい、負担なく日常は送れるだろう。習慣=それだけ慣れていると言うことだ。それはある意味で、いろんなコードが体中につながって、いろんなものが半ば自動的に供給されているような感じに似ている。でも、旅に出ると言うことは、そのコードをプラグから抜き去り、自分だけで動くに等しいのだ。未開の地や言葉の通じない場所に行くほど、コードはなくなり、自分が試される。それは生きる力が試されているに等しい。そうしたある種のサバイバル体験が試練となって、体験や経験を重ねることで、自分自身の未知の感覚を目覚めさせ、感性を豊かにして、新たな自分を創り上げることができる。旅とはそういうものだ。
この映画は、ジョーゼフ・キャンベルの英雄の旅をテーマにしているけれど、この映画でも語られているが、これはまさしく人生の旅であり、魂の旅だ。そして、それは本来の自分へと還る旅。英雄の旅とは、帰還して栄冠を得るのだけれど、その栄冠とは、自分自身に還り、本来の自分。本当の自分を生きることだ。
今という混乱した時代、変化の真っ直中の時代の中で、新しい世界は、本当の自分を以下に生きるかしか、真の喜び、幸せはないのだと思う。ジョーゼフ・キャンベルが言ったように「至福を追求せよ」ここに尽きるのだと思う。
パットの次の作品に、期待を寄せながら、これからファインディング・ジョー「英雄の法則」をもっと多くの人に届けていきたいと思う。。。