今回のクエストカフェ・インタビューは、いま、クエストカフェで配給しているドキュメンタリー映画、ファインディング・ジョー「英雄の法則」のパット・ソロモン監督の登場です。打ち合わせを兼ねて、ロサンゼルスのベニスにある監督の自宅に訪問し、映画のことやこの映画のテーマである神話学者ジョーゼフ・キャンベルの英雄の旅、監督自身のことについて、いろいろとお話しを聞きしました。

Contents

取材後記

自分の人生をどうしたいのか気づくことが大事

ワダ:
こんにちは!パット。
パット:
こんにちは!タツヤ。今日はインタビューをありがとう。この映画を日本に伝えてくれてとても嬉しく思っているよ。
ワダ:
僕も、この映画を日本の皆さんに紹介できて、とても嬉しく思ってます。そして、本当に素晴らしいメッセージがいっぱい詰まったこの映画を創ってくれてありがとう。
さて、まず初めに、この映画、ファインディング・ジョー「英雄の法則」について、ご存じない方もいるので、パットから簡単にどんな映画なのか話してもらえますか。
パット:
OK!実は、この質問はとっても難しいんだ・・・笑 この質問を聞かれる度に、話す内容が変わってしまって・・・笑 というのも、この映画はいろんな側面を持っているから、見方によってはいろんな取り方もできるからね。
そうだね。言ってみれば、この映画は、それぞれの人々の個人的な人生の旅の物語と言えるかな。どうやって、自分自身の人生のヒーローになっていくのか。もっとシンプルな表現で言うなら、人生は旅だってことだね。その人が自分の人生のヒーローになるか、ならないのか。人生の道は、その人が生きている世界が持っている文化とつながっているんだ。タツヤが持ってきてくれた「きびだんご」のヒーローはなんていう名前だったっけ?
ワダ:
桃太郎。
パット:
そうだ、桃太郎。この話は以前聞いたことがあったよ。日本ではとても有名な物語だね。これも「英雄の旅」として、まったく同じパターンを持ってるよね。
人生も同じなんだ。生まれて、成長して、いろんな問題で悩んだり、もがいたりして、挫折したり、栄光を勝ち取り、こうしたことを何度も繰り返して成長していく。こんな感じで、人生も英雄の旅と同じだってことがわかる。
これは単に出来事が起こっているだけではなくて、そうした経験によってレベルアップしていくというか、内的な成長をしていくわけだよね。自分にとってよくない出来事が起きても、それを違った見方で見ることができるようになったり、もっと大切な事にフォーカスできるようになって、いろいろと思うことを実現できるようになっていく。
僕の場合もこの映画を制作していく過程で、同じようなプロセスを辿っているんだ。
ワダ:
この映画を見た人の多くが、映画を見終わって「自分の人生に自信が持てるようになった」とか「いろんな事があったけど、すべては成長のためにあったって思えるようになった」。また「もっと可能性に懸けてみようと思う」「いまやりたいことが見つからないけど、何かやって来そうな気がする」など、自分の人生と照らし合わせて、自分のステージや状況について考えたり、人生をもっとポジティブに捉えることの大切さをあらためて感じたという感想を多くもらっています。
パット:
素晴らしいね。僕も、映画の感想をたくさんもらうんだけど、アメリカでも同じような意見が多いね。人生観が変わったとか、やりたいことが明確になった、過去を手放すことができたというような感じで、驚くのは、この映画を見た翌日、パーティーがあって、そこで彼と別れましたという話や自分のやりたいことを実現するために会社をやめましたとかね。
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小さな頃に親に言われるんだ。あれをしなさい、これをやりなさい。お前は弁護士にならなきゃいけないとか、医者になるんだ。ビジネスマンになるんだって。でも、ヒーローになるってことはそういうことじゃなくて、もちろん、本人がそうなりたいなら別だけど、音楽が好きならミュージシャンになればいいし、絵が好きならアーティストでもいい。、メカニックでもいいんだ。別に、それが職業じゃなくてもいいけど、自分が人生でやってみたいことをやってみる。至福を感じることをやるんだ。それが、自分の人生の英雄になることだね。だから、自分が人生をどうしたいのかって気づくことが一番大事だよね。
ワダ:
日本では、社会への協調性が大切にされるような文化があるので、自分がどうしたいというよりも、周りに合わせて自分の人生を無難に生きるというような空気もあるかな、いまでも。なので、いつのまにか、自分が本当は何をやりたいのか、どうしたいのかが分からなくなっている人も多いと思う。アメリカでは、個性が尊重されるし、自分の意見を持つことが大事だよね。自立が求められるから、何をするのか、何がしたいのかを子供の頃から考えさせられると思うんだけど。
パット:
確かに、日本はそういうところがあるかと思うけど、アメリカはいろんな文化や価値観を持った人がいる国だから、一概には言えないけど、アメリカでも同じようなところもあると思うよ。もちろん、アメリカは個性を大切にするし、自立や自由というのは大事な価値観だと思うけどね。
ワダ:
やはり、自分の人生だし、人生は一回しかないから、本当にやりたいこと、生きたい人生を選べるなら、そうして生きるのが本来の生き方だと思う。僕は本当の自分を生きると言うのがとても大切だと考えているけど、多くの人は、本当の自分とか、自分がどんな人生を送りたいのか、はっきりとそれがわかっている人は少ないし、そういうことを考える余裕すら無い人が多い、または、あきらめてる。。。僕は、本当の自分を生きる人、そこに気づく人をもっと増やせたらと思ってます。
パット:
いいね、この映画も同じような意図を持っているよ。

神話のルーツは、実は人間の人生から来ている

ワダ:
パットから見て、神話学者のジョーゼフ・キャンベルという人は、どんな人物だっと思いますか?
パット:
僕は、コマーシャル・フィルムを制作する仕事をずっとやってきて、ジョーゼフ・キャンベルには大きな影響を受けてきたんだ。初めてジョーゼフ・キャンベルの業績と出会ったのは、彼の本だけれど、それは高校の時だった。その本が、僕の物事を違った視点で見るように気づかせてくれたし、どんな方向に行くべきかに気づかせてくれたんだ。彼の本から多くを学んだよ。20歳くらいまで、すごく刺激を受けたね。
ジョーゼフ・キャンベルという人物自身については、僕はよく理解してるとは言いがたいんだけど、この映画を制作していく中でより理解していったと言えるかな。
ワダ:
高校生でジョーゼフ・キャンベルを知ったというのは、結構早い気づきというか。日本では、ジョーゼフ・キャンベルの本を読んでいろんな気づきを得るような高校生はどのくらいいるんだろう?・・・笑
パット:
それがどうかわからないけど、みんなそんな風でなくてもいいよね・・・笑 親はこうしなさい、ああしなさいみたいなことを言ってたけど、さっきも言ったように、そうしなきゃいけないわけじゃないから。
ワダ:
アメリカでは、ジョーゼフ・キャンベルのことは、比較的多くの人に知られているようだけど、どうなんですか?
パット:
そうだね。大学くらいになると知る人は多いかも知れない。結構、知られていると思うよ。
ワダ:
なぜ、パットがジョーゼフ・キャンベルの本に興味を持ったり、そうした世界に惹かれたんだろう?
パット:
ハハハ(笑)・・・それはわからないね〜。。。そんな状況だったとしか言えないけど・・・笑
たまたま、彼の本に出会って、そこに書かれてあることにすごく興味を持ったんだ。神話って、そんなに奥深い意味があったのかって、何か自分の身の回りのことが読み解いていけるような、そんな好奇心をかき立てられるようなものがあったような気がするよ。
ワダ:
それにしても、高校生でっていうのは、人生への気づきや出会いが早いような気がして、やはり、シンクロやタイミング(縁)は面白いなと思う。
ジョーゼフ・キャンベルについては、どんな人物だったと思いますか?
パット:
彼は、哲学者だよね。単なる神話学者ではない。彼は神話を研究しただけでなく、そこから人生や人間という存在の意味、哲学的なメッセージを読み解いて、僕たちに届けてくれた。彼は、神話は人生そのもので、神話はそもそも人々のいろいろな人生の物語が凝縮して、そのエッセンスが残り、それが神話へと昇華していったというような事を言ってるんだ。つまり、神話は、そもそも人間の人生から来ているってことだね。
ワダ:
神話って、神様の話だと思って読んでいると、神様なのにとっても人間くさくて、とても低次元なことで喧嘩したり、復讐したりして、神様ならもっと悟っていて欲しいなんて思うんだけど・・・笑 
パット:
結局、人間の人生が元になっているから、神話という物語として語り継がれる中で、啓蒙とか教育とか、文化とかが伝えられてきたんだと思う。だから、神話は本当は神様の話じゃないってことだよね。。。
ワダ:
日本ではジョーゼフ・キャンベルの著作はいくつか翻訳されて出版されているけれど、彼がどういう人物だったかというのは、推測するくらいしかできなかったんだけど、それよりも、彼が示した「英雄の旅」が面白くて、そこばかり注目されるので、ジョーゼフ・キャンベルという人物そのものが、こんなにユニークな人だったというのは、ファインディング・ジョー「英雄の法則」を見て知りました。
パット:
僕も、この映画を製作していく中で知っていったことは多いね。
ワダ:
「至福を追求せよ」
パット:
この言葉は有名なんだけど、神話を研究する中で、生き方とか哲学とかに行き着くいたところが面白いけど、ジョーゼフ・キャンベルは、もともとそういうことにとても強い興味を持っていたんだね。。。

身近にあったものや人々にもいろんな影響を受けた

ワダ:
ところで、パットはどこの出身ですか?
パット:
オクラホマで生まれて、それから小さな頃にサンディエゴに移り住んで、その後、ロサンゼルスに来て、ここで育ったんだ。
ワダ:
パットが育ったサンディエゴやロサンゼルスという環境は、やはり、いまの人生に大きな影響を与えてますか?
パット:
もちろん、そうだね!それは大きな影響があったと思う。
サンディエゴもそうだし、ロサンゼルスもそうだね。街や暮らしてきた環境、身近にあったものや人々にもいろんな影響を受けたと思う。僕はこの映画を製作したわけだけど、もともとコマーシャル・フィルムの監督なので、この道へ進むのもロサンゼルスには、比較的身近なところにそうした映画や広告とか、クリエイティブなものがあったので、ロスじゃなかったらこういう縁はなかったかもしれないね。映画も創ってなかったかもしれない。
ワダ:
僕もサーフィンをするんだけど、パットもサーファーだよね。海が近くて本当に羨ましい・・・
パット:
ハハハ・・・そうだね。うちは家族みんなサーフィンをするよ。サーフィンは生活の一部みたいなものだから、若い頃はあちこちいろんなところに行ったよ。最近は、仕事でなかなか時間が取れないけど・・・
ワダ:
やはりサーフィンもそうだけど、このベニスビーチのエリアというのも、すごく自由で、クリエイティブな空気もあるし、パットらしい感じがするね。
パット:
ここには、アーティストとか建築家、デザイナーとか、ファッションとかね、クリエイターもたくさんいる。僕はここがとても好きなんだ。
ワダ:
ここベニスが自由で開放的な空気だからっていうのもあるけど、パット自身がオープンで自由な生き方だから、ここにあってるんだろうね。
パット:
最近は、忙しくて自由がないけどね。。。笑 家族でやるのは楽しいね。
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映画づくりは人生で最大のヒーローズ・ジャーニーだった。

ワダ:
パット自身の「英雄の旅」について、話してもらえますか?
パット:
う〜ん、それはたくさんあるね〜・・・そうだね。
やはり、この映画を撮ったことかな。今までで、たぶん最も大きな「英雄の旅」だったと思う。
映画をつくるということは、僕にはとても大きなリスクがあったからね。僕には家族がいるし、これをやるには仕事もストップしなきゃいけなくて、収入が得られなくなるわけだよね。お金もいっぱいかかる。だから、それは大きな決断だったんだ。でも、僕にとって大事なことは何かって強く感じられて、決断が迫られていた感じだった。それは、新しい旅に出ることだった。この映画をつくるという旅にね。これまで、映画なんてつくったことはなかったんだ。コマーシャルフィルムの世界しか知らなかったから・・・
ワダ:
コマーシャルフィルムの世界は、映画に共通する部分も多いのでは?
パット:
確かに似たようなところも多いけど、映像をつくるってことでは、でも、かなり違うんだ。僕にとっては、まったく新しい旅だったよ。新しい人にも会わないといけないし、知らないこともやってみないといけない。
たくさんのことがあって、いっぱい失敗もして、最初からやり直さなきゃいけないこともあったからね。とにかく、忍耐のいる仕事だった。
実は、映画に取りかかって6ヶ月間、いろんな場所で撮影を始めたんだ。バリ島やエルサレムなどを取材して、計画では世界中のいろんなところで撮影していこうと考えてた。お金もたくさん使ったんだけど。ひとまず帰国して仮の編集に取りかかってみたんだ。だけど、ひどいどれもこれも使えない、これじゃ映画にならないって気がついた。たくさんの宗教的なモチーフを撮影してきたんだ。キリスト教、ユダヤ教、仏教、イスラム教、ヒンズー教など。。。さあ、これをどうするって? 素材は良かったんだ。でも、これらの素材を使いながら、それぞれの宗教にある神話とジョーゼフ・キャンベルの英雄の旅をまとめていく?
これは無理だってことになった。そこですべてをストップしたんだ・・・
何とかしなきゃいけないって、いろいろと考えて行く中で、なんとなく8歳だった息子を撮影してみたら、これだ!ってイメージが浮かんできて。。。それで、近所の彼の友達の子供たちに声をかけて、集めてやってみたらイメージ通りの表現ができたから、これでいこうって。子供たちに出てもらって、英雄の旅を演じてもらう、それによって、とても親しみやすくなったし、身近なテーマに感じられると思うんだ。
ワダ:
初めに、どんな映画にしようかと構想して、計画し、それに従って撮影したけれど、いざ、編集の段階になってこれでは使えない、映画にならないということに気づいたりするのは、映画だけじゃなくて、あらゆるところでそういうことはあるよね。
でも、お金も使ったし、わざわざエルサレムまで行って撮影してきたんだから、なんとかその素材を使ってカタチにしたいって、固執したり、無理してたら、きっといいものにはならなくて、イメージが違ったら、思い切ってすぱっとやめる、切り替える事って大事だと思う。
パット:
まったくその通りだね。まあ、僕の場合は、そうするしかなかった。素材はよかったけど、これをどうするんだ !?
って・・・最初の構想は自分の中でしっかりイメージできてたんだけど、実際に編集を始めて、この方向性ではだめだってのは、コマーシャルの製作ではなかったからね。
ワダ:
コマーシャルは短い時間の中でメッセージを伝えていくわけだから、それは逆に切り取っていく難しさやその秒数の中にメッセージを落とし込んでいくというのも大変だと思うけど・・・
パット:
コマーシャルの製作は、映画作りに比べたら、僕にとってはとてもイージーなんだ。
ワダ:
パットにとって、コマーシャルフィルムの製作は、自分に合ってるのかな?
パット:
そうだと思うよ。コマーシャルの製作はなんの負担も感じないし、2週間くらいでさっと仕上げて終わることができるけど、映画はそうは行かないんだ。
ワダ:
それはコマーシャルフィルムの製作の経験が、これまでにたくさんあるから、手慣れてるという意味かな?例えば、若い頃はたくさん失敗したとか・・・
パット:
もちろん、失敗もたくさんしたけど、難しいと感じたことはなかったね。コマーシャルと映画はプロセスが違うんだ。映画は今回が初めての製作だけど、僕にとっては、まさしく、これが今までの人生で最大のヒーローズ・ジャーニーだと言えるね。
ワダ:
このファインディング・ジョー「英雄の法則」を製作して、この過程でいろんなことがあって、いま、どんな感じでなんだろう? 何か変化を感じている?
パット:
そうだね。やはり大きな変化があったと思う。実は、いま、映画の製作のためにしばらく休んでいたコマーシャルの仕事を少しずつ再開してるんだけど、映画が完成したら、それまでも、コマーシャルつくってくれないかって話はあったんだけど、映画に集中するために断ってきたんだ。だから、映画が完成したって知ると、周りからそれを聞きつけた仕事仲間たちからたくさん連絡が来て、ぜひ、コマーシャルをつくって欲しいと。それで、いま、いくつかやってるんだけど。どうかな・・・もちろん、いまもコマーシャルの製作は楽しんでやってるけど、ある意味で危機も感じていて、心からそこに情熱を傾けてやれているかというと、正直、そうではないかもしれない。ただ、コマーシャルの製作は、僕にとっては得意な仕事だし、収入にもなるからね。でも、それでいいのかっていう葛藤はあるね。
ワダ:
まさに英雄の旅だね。コマーシャル製作の世界から、映画の製作という冒険の世界へと旅立ち、そして、コマーシャルの世界に戻ってきた。しかし、戻ってみると世界が違って見えた。でも、コマーシャルの製作は以前と同じようなプロセスで製作されるんだけど、実際には、見ている視点とか、考え方、コンセプトの表現や作り方など、最初のころ、コマーシャルの製作を始めたこととはかなり違っていると・・・
パット:
それはそうだろうね。自分で感じている違和感はそういう事だと思う。もっと、深い真実を伝えていきたいと、ハートが訴えているんだと思うよ。
例えば、明日からまた、コマーシャルの撮影で出かけるんだけど、それはとてもワクワクしてるんだ。それは、大きな病院チェーンの仕事で、ガン防止のための検査を勧めるコマーシャルなんだけど、こういう仕事はとても有意義だよね。それによって、ガンの早期発見を促進できて、多くの命が助かるかも知れない。そういう意味で、特に価値ある仕事だと思う。
僕にとっての危機とは、これからもこういう仕事を続けていくのか、または、他の映画を製作を行っていくのか。。。どうすべきかを考えているところだよ。至福に従うしかないんだけどね。。。笑

新しい世界の空気を取り入れると、自分を再生できる

ワダ:
どうしてジョーゼフ・キャンベルに興味を持ち、この映画をつくったのか教えてもらえますか。
パット:
高校生の時に、ジョーゼフ・キャンベルの事を知って、興味を持って本を読んだりしてたんだけど、彼の「至福を追求せよ」「自分自身の英雄になろう」という言葉にとても惹かれて彼の本を読み、彼のインタビューを探してみたりして、彼の研究とかを調べたんだ。
5年くらい前かな、映画を製作したいと思うようになって、片隅にずっとジョーゼフ・キャンベルのメッセージがあって、あらためて彼につて調べ直したりしてたんだ。映画についても、自分にとっては未知の世界だったからいろいろと研究していたんだけど、3年前に母親が亡くなって、どういう繋がりか、父親もその3週間後に亡くなってしまったんだけど。とても大きなショックを受けて、何だかそんなこともきっかけになって、映画をつくろうって決心したんだ。
ワダ:
それは、やはりコーリング(冒険への誘い)があったと感じたわけだね。
パット:
電話は鳴り続けていたんだと思う。そろそろ電話をとる時期だったんだね、きっと。自分の心の奥底では決まっていて、もうやるしかないって、そんなきっかけから湧き上がってきたのかもしれないよね。
ワダ:
実は、僕の両親もすでに亡くなっているんだけど、母が先になくなって、父親は7年後に亡くなった。特に、母が亡くなったのは大きかったけど、やはり、親が亡くなるって言うのは、自分と向き合う大きなきっかけになったね。
パット:
とてもよく似ているね。誰しも、親は大きな存在だから、親の死は自分にとってひとつの危機だとも言えるし、それが人生に大きな変化をもたらすこともあるよね。
ワダ:
人生では、何度か大きなシフトを経験するけど、身近な人の死というのはとても大きなシフトのきっかけだったりするよね。まあ、例えば、恋人や夫婦の別れというのも大きなきっかけになったりするし、特に、死というのは永遠の別れで、それはもう受け入れざるを得ない事実だから、それにどう向き合うのか、大きなテーマを投げかけられる。
パット:
新しい自分、新しい状況へ、強制的に誘われるよね。そこで、考えなきゃいけない。これまでつながってたものが切れる。特に親とか家族との別れは特別だよね。ある意味で、母親から生まれて、へその尾を切り離すように、自分で初めて新しい空気を肺に取り入れて、産声を上げるように。新しい世界の空気を取り入れると、自分を再生できるということだろうね。
ワダ:
なるほど・・・何か、パットにはジョーゼフ・キャンベルのメッセージが響いたもともとの共鳴する土台があったんだね。きっと、ジョーゼフ・キャンベルだけじゃなくて、他にも響いたものがあったと思うけど。
パット:
そうだね。どのように生きるかについては、ずっと大きなテーマだったような気がするし、それは、ここカリフォルニア、ロサンゼルスでは、僕の人生でかな?身近なものだったのかもしれないね。
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ワダ:
ウエストコーストは、開拓者たちが行き着いた場所だし、フロンティアスピリットや60年代、70年代のカウンターカルチャーやヒッピームーブメントなど、常に新しい世界やレボリューション=革命が文化としてあったと思うし、そういうものを許容する自由さとか、大らかさがいまでもあるよね。ジョーゼフ・キャンベルもそうした価値観の人々にも、大きく影響を与えたんじゃないかな・・・
パット:
詳しくはわからないけど、そうだと思うよ。僕は、いまの世界に対して何かを言いたいわけじゃないけど、自分らしい生き方や人間が幸せになるヒントについて、自分自身が感じていることは、この映画の中で表現できていると思うんだ。

スピリチュアリティは特別なものではなく、普遍的な原理

ワダ:
パットにとって、スピリチュアリティとはどういうものですか?
パット:
スピリチュアリティは、とても大切なものだと思うよ。僕にとっては、知的なものだし、哲学でもあるし、でも、占いとか、オカルトのようなものには、僕はあまり興味ないんだ。スピリチュアリティは身近なものだし、実践的なもので、すべてはそこからやってくる。そこから成り立ってると思っているよ。だから、目には見えないところに、大切なものはあって、例えば、人とのコミュニケーションとか、そういう時の態度や心にそれは表れてくる。スピリチュアリティは、特別なものではなく、人生や宇宙の大きな原理のようなものだと思うよ。。。
ワダ:
英雄の旅という法則も、人間の成長だけでなく、あらゆる成長のプロセスに同様のエネルギーというか、パターンが働いているように思うんだけど、スピリチュアリティは、すべての宇宙の背景にあるベース、土台、そのもととなっているエッセンスなんだと思っていて、そこには、とてもシンプルな原理とかパターンがあると考えてます。
ジョーゼフ・キャンベルが英雄の旅を見いだしたのも、神話が人々の文化の中から生まれ、語り継がれていく中で、エッセンシャルが抽出されていって、いわば大切なエキスが圧縮されているように思うのね。だから、そういう意味で、すごくスピリチュアルなエネルギーやバイブレーションを内包しているように思います。
パット:
その通りだと思うよ。スピリチュアリティは特別なものではなく、普遍的な原理だし、それなくして、この世界は成り立たない。すべてそこから来ているという点で、まさしく神話から来ている。同じだってことだね。
ワダ:
パットは瞑想はやりますか?
パット:
時々やるけど、特別やらないね。以前は、座禅だとかヨガだとか、瞑想も集中してやった時期があって、僕はサーフィンをするので、サーフィンが瞑想みたいなもんだってわかったから、今はサーフィンが瞑想かな・・・笑 他にはいらなくなちゃったからね・・・笑
ワダ:
いいね。。。確かに、サーフィンも瞑想だね。。。笑 何でも瞑想と言えば瞑想だからね。それこそ、パットが集中してクリエイティブに取り組んでいるときは、まさしく瞑想だよね。。。
パット:
笑・・・そうだね。庭にあるあの小屋も、僕が造ったんだけど、あれを造る作業はまさに瞑想だったね。とにかく、集中して取り組まないといけなかったし、ひたすら取り組んでいたからね。。。特別なものではないよ・・・

直感に従い、流れに任せるといい結果が得られる

ワダ:
ところで、この映画で、もっとも難しかったのはどんなところでしたか?
パット:
そうだね、やはり、何よりも編集作業だったね。とても忍耐のいる作業だったよ。映画の製作には約2年半くらいかかったんだけど、そのうち編集には、およそ1年くらいかかったからね。とても集中力の必要な作業なんだ。
ワダ:
映画はインタビューが中心的な内容で、登場人物も20人いて、僕もよくインタビューするのでわかるんだけど、収録はそれぞれきっとかなり長いものになってると思うんだけど、それらをこの映画のように折り重ねるようにメッセージを重ねていくことも大変だと思うけど、きっとそれぞれの人が、とても深くて素晴らしいメッセージを語っているから、メッセージをカットして、そぎ落としていく作業は、とても難しかったんじゃないかって思ってます。残したいけど、カットしなきゃいけない、どこを残すのか、苦しい選択じゃなかったかなと。。。
パット:
まったくその通りで、実はこのインタビューは、最初の粗編集だけでも5時間にもなってしまって、それを80分の映画に納めていかなければいけなかったから、かなり苦労もしたよ。
ワダ:
日本語字幕では、さすがに、字幕を追いかけるのが大変な箇所もあります。
パット:
確かに大変かも知れないね。
ワダ:
特に、深いメッセージが語られた後は、その言葉に一瞬浸っていると次の言葉が頭の中でオーバーラップしていくので。。。笑
パット:
なるほど・・・それだけ響いてくれているのは嬉しいんだけど。。。
ワダ:
映画の登場人物を選ぶのは、どのようにやっていったんだろう?
パット:
これは、とても面白いんだけど、実は、ほとんどの人を僕が考えて選んだわけではないんだ。最初に、ブライアン・ジョンソンからスタートしたんだけど、彼のことは友達の紹介でもともと知ってたんだ。その他の人は、ブライアンから紹介してもらったり、紹介してもらった人がまた紹介してくれたりね。そうして、つながっていったんだ。インタビューしたり、紹介された人を選択しながら、次第にプランが形になっていって、できあがったということだね。
以前、スケートボードやサーフィンの映像を撮っていたから、直接トニーやレイアード・ハミルトンを知っていたわけじゃないけど、それも繋がりをたどっていったら、紹介してもらえることになって、不思議なものだけどね。
ワダ:
そういう意味では、この映画は、シンクロニシティでできあがってると言ってもいいね。何か約束されていたみたいで、やはり、それは、パットだからできたことだし、パットが彼らをつないで、まるで、タペストリーを織り上げるように紡いでいく役割があったんだと思うな。
パット:
かも知れないね。最初に予定したり、計画したことは思うようにいかなかったけれど、直感に従ったり、流れに任せてやっていくと、いい結果が得られるものだって感じてるよ。
ワダ:
ジョーゼフ・キャンベルも「予定通りの人生を手放すべきだ。そうすれば、自分本来の人生を手にできる」っていってるしね。。。笑
パット:
まったくだね・・・笑 ある意味で、どういう人物に出てもらうかを吟味して、アプローチするやり方もあったとは思うけど、僕は敢えて計画しなかったんだ。こうやって出会ったり、紹介されてつながっていく人たちが素晴らしかったから、それで十分だって思ったんだ。もちろん、紹介される中での選択はあったわけだけどね。。。
ワダ:
パットの中であった確信とか、伝えたいメッセージって言うのが明確にあったから、引き寄せが働いたんだろうね。
パット:
そうだね。そう思うよ。僕は、起こる出来事を信じてるから。
ワダ:
この映画を知ったきっかけは、アラン(アラン・コーエン)だったんだけど。彼のメルマガで、彼がこの映画に出たんだって知って、予告編を見たんだけど、もう素晴らしくて! 直感的に、あ〜この映画は僕が伝えなきゃって思って、いても立ってもいられずにすぐにプロダクションにメールしたんだ。それが、パットのオフィスだったわけだけど・・・僕は英語もそんなに得意じゃないし、こうやってなんとか話してるけど。。。笑
映画なんて配給したこともなかったけど、イベントやセミナーなど、集客することはたくさんやって来たし、マーケティングも僕の本業でもあるから、何とかなるだろうと思って、こんな計画でやるからぜひ、やらせて欲しいって。。。つたない英語で申し訳ないと思いながら。。。それで、アランにもメールでサポートをお願いして・・・アランとは10年ほど前に彼のマウイ島でのワークショップに参加して以来、お付き合いもあって、、、
パット:
海外からぜひ公開したいって言ってきたのは、今のところタツヤだけだよ。日本でこの映画が公開されることはとっても嬉しく思ってるんだ。僕の母親は沖縄の人だったからね。この通り日本語はだめなんだけど。。。笑
アランからも連絡をもらって、君は信頼できる人物だってあったし、直感的にもまず、話してみたいって思ったからね。何か縁を感じたんだ。日本ですごく拡がって行きそうな予感もしていて、とても嬉しく思ってるよ。本当にありがとう!
アランは、僕は誰に紹介されたんだっけ・・・ゲイ・ヘンドリックスだったかな。いずれにしても、アランにメールしたんだ。こういう映画を創っているんで、ぜひ、インタビューしたいって。そしたら「面白そうだね。いいよ、マウイ島においでよ!」って・・・「あっ、マウイ・・・OK!」って、そんな感じで、とてもオープンだった。
この映画も最初はどうなるかと思ったけど、自分の中で何か突破口がきっとあるって、ブレイクスルーできたら、それが正しい方向なら、どんどんつながって、扉が開いていく感じだね。
ワダ:
そういう意味でも、この映画は、世に出るべくして出てきた映画なんだなって思うな。。。こうやって、日本で拡がって行くのも、ファインディング・ジョー「英雄の法則」というエネルギーの中には、約束されていたのかも知れない。。
パット:
そうかも知れないね。

電話を無視し続けると、最後はひどいカタチで知らされる

ワダ:
この映画は、ジョーゼフ・キャンベルのヒーローズ・ジャーニー=英雄の旅がテーマだけど、人はなぜ英雄になりたいんだと思いますか?
パット:
ジョーゼフ・キャンベルがいう英雄の旅が伝えているのは、自分自身が人生の英雄になるということで、それによって人から認められたいとか、賞賛されたいというのではないんだね。つまり、自分が自分を認める。自分を肯定するというかね。自分が自分を素晴らしいと思えれば最高だと思うんだ。人生の英雄になるとはそういう意味なんだ。だから、ジョーゼフ・キャンベルは「至福に追求せよ」って言ったんだね。
自分がやりたいことをやる。それは簡単なことじゃないよ。だって、好き勝ってやってると親がうるさく言うし、奥さんや家族だって、友達だって「もう、いい加減にしろ」とか「いつまでそんな子供じみたことしてるんだ」なんてね・・・笑 そうして、みんなあきらめていくんだ。でも、本当にやりたいことなら、あきらめられないよ。。。
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ワダ:
自分が本当にやりたいことに気づいていなかったり、そもそもそういうことを考えることすらしない人も、実際には多いからね。
パット:
映画の中で、女優のラシダ・ジョーンズが言ってるけど「ランニングマシーンから降りられないでいる」って、また、ゲイ・ヘンドリックスは「心地よい催眠にかかっている」とも言っている。本当の自分の人生があるってことに気づいていない人もいるし、気づいていても、そこから離れることができない人もいる。がまんしていたり、人生とはこんなものだとあきらめていたりね。
ワダ:
でも、本当の自分は、どこかで、無意識の中で、常に叫んでいたり、訴えていて、そういうエネルギーが、ある時、もういやだって、自分の本来の道へと引き戻そうとするんだと思うんだよね。だから、本当の自分の道を歩いていなかったら、そこへ戻そうとするために、運命的な出来事が起こると・・・
パット:
確かにそうかも知れない。それが、コーリング(冒険への誘い)だね。電話がなるわけだ。電話を無視し続けると、最後は、ハンマーで殴られるようにひどいカタチで知らされたりすると言うことだね。
ワダ:
今の日本を見ていると、日本全体がそんなメッセージを受け取っているような気がします。電話がサイレンのようになっているのに、日本のリーダーたちは、電話を取ろうとしない。。。
パット:
電話はやっぱり取らないとね。。。いつまでも鳴り続ける。最後は受け取らなきゃいけないんだ。ゲイ・ヘンドリックスは映画の中で言ってるね「最初は、羽根でくすぐるように気づかせようとする」って、何かくすぐったいぞって・・・何か変だなって気づくことができたら、自然に変わっていけるんだけどね。。。
ワダ:
自分自身の事はなかなか気づけなかったりして、それは、とっくに分かってるんだけど、今いる場所から離れられない。新しいことに挑戦する。それが本当に自分がやりたいことなのかどうかわからない。もし、それだと思って今の場所から離れて変わっても、もし、それが違っていたらどうする?親や家族や周りから批難される。自分自身、経済的なこととかリスクもあるし、それを選択するのは簡単なことではないとは思うけれど・・・
パット:
そうだね。だから、人生にはドラマがあって、物語なんだと思う。神話は、そんな人生の物語のアーキタイプ=原型だね。神話の中にある、まさしく英雄の旅は、そうした人生のパターンだから、やっぱり、本当の自分の道から離れたり、逃げていると、いつか、そこに戻らなくちゃいけない時が来るから、そこを歩かない限り人生は混乱続きだってことになると思う。
ワダ:
パットも知っている通り、昨年3月11日、日本は地震、津波、原発事故という大きな災害に見舞われました。そして、被災地の苦しみは今も続いているし、原発事故によって故郷に帰れない人もいる。その影響は福島という地域だけでなく日本全国にも波及しているんだ。また、いま、日本ではもう原発をやめようというムーブメントも大きくなっているんだけど、そんな背景からのジョーゼフ・キャンベルの英雄の旅の観点から、また、監督としてのパット自身からのメッセージをもらえたらと思います。
パット:
そうだね〜それは簡単には答えられないな。被災された方々は、家族や家を失ったり、暮らしもめちゃくちゃになって、想像を絶する、本当に大変な思いをされているし、確かに英雄の旅は当てはまることなんだけど、それを伝えるのは簡単なことではないよね。そんな大変な災害の中で生き残って、ネガティブな気持ちにもなるだろうし、明るい未来を見ることも簡単じゃないと思う。いまの状況をはっきりと見つめることは難しいかもしれないけど、被害者としてネガティブに生きることもできるし、人生のヒーローとしてポジティブに生きていくこともできる。それはその人の選択にかかってるよね。
大変な状況の中で、人生を変えていかなきゃなんて簡単には言えないんだけど、でも、未来は自分が創っていくものだから、自分がどうしたいかってところにいかないとね。大変だとは思うけど・・・

いまでは、人の数だけ物語=神話がある

ワダ:
パットはもともと神話に興味はありましたか?
パット:
もちろん、神話にはとても興味があったけど、それは、ジョーゼフ・キャンベルに興味があったからというのではなくて、別だったんだ。結果的に、ジョーゼフ・キャンベルが神話学者だったから、そこから新しい側面や解釈を学んだんだけどね。
ワダ:
今という時代の中で、神話とはいったい何だと思いますか?
パット:
それは物語だね。物語はなんでも神話だとも言える。今の世界では、ものすごくたくさんの物語があって、拡がって行き、だれも正確に同じ物語を共有できていないよね。ネットを見ればわかるけど、そこには個人の物語、つまり、神話がたくさんあって、インターネットが発明される前は、本があって、本も大昔はわずかしかなかったしね。わずかな物語を人々が共有していただけで、それは、口伝だったりしたわけだけど、上手く言えないけど、いまでは、人の数だけ物語があって、インターネットで公開されていて、それがいいのか悪いのかはわからないけど・・・
ワダ:
昔は、時代の空気みたいなものもシンプルで、皆が同じ空気、時代感を味わっていたけれど、今では、人の数だけその人の世界があって、それぞれの世界を生きていると言ってもいいかもしれない。
パット:
その通りだね。そんな時代としてのまとまった空気というものがあるとも言えるけど、だから、一人ひとりに物語があって、今こそ、誰もが人生の英雄になれるっていうことだね。ジョーゼフ・キャンベルが語ってきたこと、伝えてきたことは、今の時代にとても重要で、今だからこそ、全ての人に必要なメッセージとして行かされていくんじゃないかなとも思うんだ。
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ワダ:
ところで、パットは次の映画の予定なんかはありますか?
パット:
そうだね。いま、4つの映画のアイデアがあるんだけど、その一つについて、いまいろいろと調べているところなんだ。
ワダ:
では、また、コマーシャルの仕事をストップしなきゃいけない。それは、また、危機かも知れないね。。。笑
パット:
そうだね。危機になるかもしれない。。。笑 僕には、時々危機が必要なのかもしれないよ。。。笑

人生に果敢に挑戦すれば、必ずギフトがもたらされる

ワダ:
最後に、日本の皆さんにメッセージをお願いします。
パット:
OK!この映画、ファインディング・ジョーが日本に届けられて、とても嬉しく思っています。
この映画ができたときには、このようなかたちで日本へ拡がって行くことまで考えていなかったので、こうしてこんなに早く日本でこの映画が公開されるのは、素晴らしいことだと思っています。
この映画は、僕自身が最初に構想したものから、製作する過程で違うかたちの映画になっていきました。それは人生と同じようなもので、全て自分が計画したとおりになるとは限らないものです。この映画でも、起こる出来事や流れに乗ることで、いろんな出会いがあったり、発見や気づきがあったりして、製作していく中で物語が新たに生まれていったわけです。だから、僕自身、とても新鮮で今度は何が起こるのか楽しみに製作に望んでいました。
ジョーゼフ・キャンベルの英雄の旅もそうですが、人生に積極的に取り組むことで、起こる出来事を肯定的に見て、果敢に挑戦していく。それが通過儀礼であり、試練の道です。それは大変かもしれないけど、必ず最後には自分にギフトをもたらしてくれます。法則がそうなっているんだから、それを信じて立ち向かっていくことが大事だし、また、流れに従うことが大事なんだと、この映画を創っていく中でも感じることができました。まさに、僕自身のヒーローズ・ジャーニー=英雄の旅だったわけです。
ぜひ、この映画を見ていただきたいと思います。そして、皆さんの英雄の旅について考えて見てください。誰しも人生には、英雄の旅があります。そして、試練に立ち向かえば、きっと栄光を得ることができるでしょう。そのヒントは、至福を追求せよですね。ぜひ、あなたの英雄の旅を楽しんでください!
ワダ:
素晴らしいメッセージをありがとう!僕も多くの人がこの映画を見て、たくさんの気づきを得て、本当の自分を生きて、素晴らしい人生を楽しんでもらえたら最高です。
今日は、本当にありがとうございました。次回の映画も楽しみにしています!
パット:
本当にありがとう!
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【取材後記】旅は、未知の感覚を目覚めさせ、自分を成長させてくれるもの。

ファインディング・ジョー「英雄の法則」。この映画の事を知ったのは、この映画に出演している世界的なベストセラー作家で、セミナーリーダーのアラン・コーエンが発行しているメルマガを読んでだった。

アランとは、今から10年ほど前に、マウイ島での彼の1週間のリトリートセミナーに参加して以来、本やセミナーを通じて、人生においていろんなヒントを受け取っている。興味深い比喩やウィットに富んだ話題はとても魅力的で、よりよい人生を生きるためのたくさんのヒントをアランから受け取った。僕はそんなアランが大好きだ。

昨年9月に、ダイナビジョンさんと共催で、岡山でアランのワークショップを開催することができ、全国からたくさんの人に参加してもらい、素晴らしい時間を皆さんと共有できた。その後、アランのメルマガ(英語版)で、この映画に出演して、いま、アメリカで公開中だという話だったので、どんな映画だろうと予告編を見てみた。始まるやいなや、僕はバチバチと音がしたのではないかと思うほど電流が流れた気がした。

1分程度のわずかな予告編だったけれど、終わる前に、これはもう何としても自分が日本に伝えたい!そのことを確信していたのだ。予告編を何度も見て、本編も見ていないのに、1時間後には、つたない英語でプロダクションに、ぜひ配給させて欲しいとメールを出していた。同時に、アランにもメールを出して、ぜひ、一言力添えをして欲しいとお願いしたら、アランも快く答えてくれて、サポートしてもらうことができた。そんなこともあって、2週間後に、監督であるパット・ソロモンからメールをもらってから、話はとんとん拍子に進んでいったのだ。それにしても、本編も見ていないし、映画の配給の経験もない、そんな人間によく日本での配給を任せたものだと、いま思えば不思議なのだけど、パットも何かシンクロを感じたようだった。

その時はまだ、シカゴの上映会が終わって、最後のニューヨークの公開を控えている頃だったけど、それから歳を越して、ようやくネット上で本編を見ることができた。内容、完成度共に、期待以上だった!この映画を日本に紹介することは、これもまた、僕自身の英雄の旅になるのだろう。。。と、心弾ませていたのだ。その後、いろいろなやり取りや日本語版製作チームと苦労を重ねながら、この映画の配給が始まった。

パットと直接会ったのは、実は、このインタビューの時が初めてで、それまで、スカイプ数回とメールのみ。それでも、コミュニケーションは十分取れていたので、実際にパットと会った起きの違和感は全くなかった。それどころか、旧知の友人のような感覚だった。パットは、ある部分、僕にとても似ているような気がした。彼の持っている空気というか、生き方やライフスタイル。自然さ、自由さ、奔放さ、開放感。。。笑 家を訪ねると彼は裸足で、僕もすかさず、裸足になった。奥さんとも挨拶して、映画にも出演していた息子のデクランくんも出てきて、とてもリラックスしたムードで迎えてくれた。

パットはとても才能のあるフィルムディレクターだと思う。映像のセンスは抜群だ。さすがに無数のコマーシャルフィルムを製作してきた実績が、ディテールに表れている。彼はこの映画を通して、彼自身の新たな魂の旅、冒険の旅をしてきた。まさしく、英雄の旅だ。そして、帰還したいま、また、新たな旅の準備をしている。

インタビュー意外で話したことだけれど、僕も世界中、いろんなところを旅してみた。まだまだ、旅したいところがたくさんある。旅とは、日常と切り離される体験だ。日頃、僕たちは住み慣れた環境で、ほとんど目をつぶっていてもいろんなことをやってのけることができそうなくらい、負担なく日常は送れるだろう。習慣=それだけ慣れていると言うことだ。それはある意味で、いろんなコードが体中につながって、いろんなものが半ば自動的に供給されているような感じに似ている。でも、旅に出ると言うことは、そのコードをプラグから抜き去り、自分だけで動くに等しいのだ。未開の地や言葉の通じない場所に行くほど、コードはなくなり、自分が試される。それは生きる力が試されているに等しい。そうしたある種のサバイバル体験が試練となって、体験や経験を重ねることで、自分自身の未知の感覚を目覚めさせ、感性を豊かにして、新たな自分を創り上げることができる。旅とはそういうものだ。

この映画は、ジョーゼフ・キャンベルの英雄の旅をテーマにしているけれど、この映画でも語られているが、これはまさしく人生の旅であり、魂の旅だ。そして、それは本来の自分へと還る旅。英雄の旅とは、帰還して栄冠を得るのだけれど、その栄冠とは、自分自身に還り、本来の自分。本当の自分を生きることだ。

今という混乱した時代、変化の真っ直中の時代の中で、新しい世界は、本当の自分を以下に生きるかしか、真の喜び、幸せはないのだと思う。ジョーゼフ・キャンベルが言ったように「至福を追求せよ」ここに尽きるのだと思う。

パットの次の作品に、期待を寄せながら、これからファインディング・ジョー「英雄の法則」をもっと多くの人に届けていきたいと思う。。。

パトリック・タカヤ・ソロモン
プロフィール

ファインディング・ジョー「英雄の法則」映画監督

私はスノーボード、スケートボード、モトクロス他、様々なアクションスポーツの映像撮影からキャリアをスタートし、その後12年間テレビCMのディレクターを務め、トヨタ、ホンダ、アディダス、ニューバランス、パナマの観光CM等他、数々の作品を手がけました。

2009年2月より「ファイディング・ジョー」製作に着手し、キャリアをスタートして以来、最高の経験となっています。

私は、人生の大きな転換期に必ずジョセフ・キャンベルの作品に影響を受けてきました。常にキャンベルの著書から発見したコンセプトやアイデアに恩恵を受け、特に「千の顔を持つ英雄」に導かれて「ファイディング・ジョー」の映画監督をするまでに至ったのです。

きっかけは2009年にキャンベルの「神話の力」がテレビで特集されているのを観た際に、もっと映像やコンセプトの解説があったらより深く内容を理解できたのに、と思ったことでした。それが「あ、そうか!」という気づきの瞬間であり、映画を作らなければならないだろうと直観しました。

この作品はジョー・キャンベルの伝記ではありません。これは全ての物語が人間であることの意味はどういうことだ伝えているかを探求したものです。

映画の中では、キャンベルが言う「英雄の旅」が一体どんなもので、もっと重要なことに、自分にとってどんな意味があるのかを深く追求していきます。古代の神話を現代の視点で捉え、古代と現代の物語から私たちが学べるレッスンを抽出していきます。

私が映画監督になった理由は、この映画そのものです。この映画が私の人生を豊かにしたように、皆さんの人生をより豊かにすることを願ってみません。

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